今後も人手不足が深刻化していくことが予想されている中、近年注目されているのが「外国人採用」です。
しかし、「外国人採用の知識がない」「コミュニケーションが不安」という企業様も多いのではないでしょうか?
今回は、アルバイトとして外国人を雇用する際のポイント・注意点・在留資格など詳しくご説明させていただきます。
1|外国人アルバイト採用を行う企業が増えている!
ここ数年の外国人のアルバイト採用数はどのように変化しているのでしょうか?
厚生労働省のデータによると、外国人労働者の総数は以下のように推移しています。
出典:『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ』厚生労働省
グラフを見ると、外国人労働者の総数は2010年から増加傾向にある事が分かります。
コロナ禍以降、国の外国人に対する受け入れ体制が整ってきたこともあり、特にここ数年の外国人労働者のアルバイト雇用率は、更に増加の傾向にあることが分かります。
増加している外国人労働者を積極的に採用するのは、人手不足で悩んでいる企業にとって効果的な採用方法であるといえます。
2|外国人アルバイトの在留資格について
では、初めて外国人アルバイトを採用する場合「何からしたらいいかわからない」という企業も多いのではないでしょうか。
外国人を採用する際は、まず在留資格(ビザ)について理解しなくてはいけません。日本で活動する外国人は、滞在の目的に合った在留資格(ビザ)が発行されています。
在留資格は種類によっては、そもそも国内で働くことができない在留資格というものもあり、採用の際の重要なポイントとなります。
2-1.在留資格とは?
在留資格(ビザ)とは、外国人が日本に入国して60日以上在留する際に、入管法の定めに従って発行される資格です。在留資格の種類によって、国内での活動範囲が異なります。
在留資格の例としては、以下のようなものがあります。
出典:法務省「在留資格一覧表」
2-2.外国人をアルバイトやパートとして雇用できる在留資格は?
同じ外国人でも、持っている在留資格によってアルバイトやパートとして雇用していい方、雇用してはいけない方がいます。
入国管理局が指定する特別な業務・活動ではない場合に持つ在留資格の中で、アルバイト・パートとして雇用ができるものは以下の5つです。
- 定住者
- 日本人の配偶者
- 永住者
- 永住者の配偶者
- ワーキングホリデービザ
また、個別に許可を得ればアルバイト、パートとして雇用できるものが以下の3つです。
- 文化活動
- 留学
- 家族滞在
これらは、個別に許可をとることが必要ですが、アルバイト採用のターゲットとなる留学生はこの許可を持っている方も多いです。
2-3.在留資格を持っていない人を雇用していた時の罰則はあるのか?
在留資格を持っていない人、または適した在留資格ではない人を雇用した場合、その事業者は“不法労働助長罪”として罪に問われます。
3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方がかせられます。
外国人を雇用した際に不法労働とされるのは、以下のような場合です。
- 外国人が不法滞在で働いていた
- 就労可能な在留資格を取得していなかった
- 許可された範囲を超えた就労をした
外国人は在留資格によって就労の可否、あるいは就労できる職種が細かく制限されています。
確認せずに雇用すると、先程述べたような不法労働助長罪に問われてしまうため、十分に注意が必要です。
3|外国人を採用する際の流れと必要な手続きについて
ここでは、採用までの流れから採用後に必要な手続きまでを解説します。
3-1.採用までの基本的な流れは日本人の場合と同じ
外国人アルバイトを採用する場合でも、日本人アルバイトの採用と同じで基本的な流れは変わりません。
- 求人媒体等を使って募集をかける
- 応募してきた人材に書類選考、面接などをおこなう
- 採用者に対して連絡を行い、雇用契約を締結する
また、通常アルバイトを雇用する際に提出させる公的書類(基礎年金番号・マイナンバー・住民票など)も、在留資格を得たタイミングで発行されています。
そのため、アルバイト採用の場合、採用後の流れも日本人と同じで基本的には問題ありません。
3-2.採用後に必要な手続きについて
採用後は必要に応じて社会保険などの手続きを進めます。
外国人だからといって特別な事はほとんどなく、社会保険の加入、所得税・住民税の課税、労働基準法の適応など、
基本的には日本人採用と同様の手続きで問題ありません。
ただし、
- ハローワークに提出するための「雇用保険被保険者資格取得届」に「雇用する外国人の国籍・地域」「在留資格」「在留期間」を記入する
- 雇用保険に加入しないアルバイトの場合は、「雇入れ・離職に係る外国人雇用状況通知書」を提出する
など、やや違いはあります。
手続きについては近くのハローワークなどに確認しながら進めるようにしましょう。
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4|外国人アルバイトを採用する際の注意点
ここでは、在留資格の確認や面接での質問事項など、外国人を面接・採用する際の注意点をまとめました。
外国人の雇用を考えている際には、しっかりと理解しておく必要があります。
4-1.在留資格の有無
まず大切なのが、上記でもご紹介した在留資格の有無です。
外国人をアルバイトとして雇用するには、5種類の就労活動に制限がない在留資格が必要です。
外国人が、資格外の就労活動をするか否かは、雇用側にも責任があります。
罪に問われないためにも、外国人のアルバイト採用をする際には、在留資格の有無を必ずチェックしましょう。
出展:入国管理局「在留カードとは?」
4-2.外国人が働ける「業種」と「時間」
アルバイトとして働く外国人には、前述のとおり、
- アルバイトとして働けて、時間制限もない在留資格
- 許可を得ればアルバイトとして働けるが、時間に制限がある在留資格
の2パターンがありますので、労働時間についても注意が必要です。
アルバイトをするために、在留資格と別に許可が必要なビザは「文化活動」・「留学」・「家族滞在」の3つです。
これらの在留資格保有者は「資格外活動の許可」を得ていれば、週28時間以内で本来の活動目的を阻害しない範囲でのアルバイトが認められています。
しかし、夏休みなど「学則で決まっている長期休業期間」中に限り、1日8時間まで可能です。
日本人と同様に労働基準法が適用されますので、週40時間が上限になります。
何度も言うように、これが可能なのは「学則で決まっている長期休業期間」に限られます。
長期休業以外の期間は、たまたま授業の休講が多くても、この取扱いはできませんので注意してください。
4-3.日本語能力
外国人が日本で働く上で一番重要となるのが「日本語能力」です。
日本語能力を測る目安として、日本語能力試験(JLPT)というものがあります。
N1~N5までランクがあり、N1が最も難しい試験となります。
N1は古文などの出題もあるため、日本人でも取得できない可能性があると言われているレベルです。
基本的にN1~N2を取得している外国人は日常に支障なく会話ができると言えます。
しかし、N3以降または資格を保持していない場合でも会話が得意なこともあるため、実際に面接で話してみることが重要です。
5|外国人アルバイト採用におすすめのサービス
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まとめ
今回の情報が皆様のお役に立てば幸いです。トラスト・プランでは、求人媒体のご提案だけでなく、求人市場のトレンドのご案内や採用ブランディングなど、お客様の採用実現に向け総合的にお手伝いいたします。
アルバイトで人手不足を解消したい時に、外国人を採用するのはとても効果的です。しっかりとした手順や採用方法に従えば、
採用後に問題が起こることも少ないので、採用活動を始める前にしっかりと確認し、外国人アルバイト採用を成功させましょう。